それは希望か絶望か
時々SNSにみかける言葉
「抗がん剤なんて意味ない」
「放射線療法するなんて馬鹿だ」
そっと閉じたあとに小さく祈る
どうかあの患者さんが目にしませんように
抗がん剤にしても
放射線療法にしても
患者さん全てにできるわけではない
全身状態
疾患
経済的観点
家族のサポートや社会資源
そして何より重要視されることは
【患者さんがその治療をしたいと本当に望んでいるかどうか】
効果がない、意味がない
そうやって言う人にも何か理由はあるだろう
実際後悔した人かもしれないし
家族が治療をして意味がないと感じたかもしれない
この治療って意味があるんだろうか
私自身、そんな風に思う場面ももちろんある
ここまで強い副作用がでるなら治療はしないで家で過ごす時間を大切にしたほうが良いんじゃないか
家族との時間を大切にした方がいいんじゃないか
でもそれは全て看護師側のエゴだ
患者さんはその治療に全ての希望をかけてやってくる
一度だけ
本当に一度だけだけど
抗がん剤治療でガンが消えた患者さんがいる
抗がん剤治療のあとに手術のために入院したけれど
入院の日に検査をしたら、ガンが身体から消えていた
それを話すと、人によってはガンじゃなかったんじゃないかとか
そんなのは、ガンに近い違うのだったんだよ
そうやって言ってくる人がいる
でも私はその人と何年も関わってきて、検査データもCTや他の画像所見も一緒にみてきた
私が知っていればいいし
患者さんが知っていればいい
ただ
その事実が他の患者さんの希望になることも知ってる
ときどき患者さんが話してくれる
治療の途中で
もうやめたい
もう頑張らなくてもいいかな
もう闘わなくてもいいかな
その人が望むなら私は治療だって応援するし
治療しない選択だって応援する
そし頑張らないことも負けじゃない
闘わないことは負けじゃない
一番の絶望した場所から
なんとか身体も心も奮い立たせてやってきたあなたを
私は心の底から応援するし、最高に格好良いと思います
どんな選択をしても間違いなんてないから
選んだことを後悔せずにいてください
そして辛くなったり、悲しくなったり
耳を塞ぎたくなるような言葉や目にしたくない言葉に不意にであってしまったら
私たちが沢山のエールと共にそばにいることを思い出してください