COVID-19(新型コロナウイルス)の患者さんの入院から亡くなるまで

私はCOVID-19(新型コロナウイルス)患者を担当する看護師です
COVID-19の患者さんが入院してから亡くなるまでどのような対応になるのか知ってもらえたらと思いブログにしました
私が働く都内の病院の話しなので、また他とは少し違うこともあるかもしれません
2020年3月からずっと対応しているので今回はそれをまとめてみました

入院

発熱が続く、咽頭痛や呼吸器症状があるなどの症状がある場合、PCR検査を受けて個室に入院というかたちになります
PCR検査の結果は大体当日〜2日目までに結果が出るので、その時点で陰性だった場合はCOVID-19対応解除となります
ただし、陽性だった場合はそのまま入院は基本的に続きます

医療従事者はゴーグル、手袋、マスク、帽子、ガウンを着用して部屋に入ります
基本的に担当の看護師しか部屋に入りません

食事

入院すると朝、昼、夕と食事がでますが、COVID-19患者さんの食事はパック食といって1つのプラスチックの容器に食事が入ったものを提供しています
病室の中でゴミを捨てられるように汁物の提供はありません
コンビニやお弁当屋さんで売っているお弁当のようなイメージです

面会

COVID-19の患者さんに至っては、どんな状況でも面会は一切お断りしています
病室に入ることはご家族の方やご友人誰であっても出来ません

もし荷物を届けたい場合は郵送をしていただくか、病院まで持ってきていただいてナースステーションでお預かりをするというカタチになります

買い物

COVID-19の患者さんは基本的に部屋から一切出られません
必要な検査が部屋から出ないと出来ない時だけ(CTなど)、部屋から出ます

私が働く病院には売店がありますが、そこでもし必要な物があれば(髭剃りやお茶など)売店で売っているリストを先に渡して購入希望の物を聞きます
それを代わりに買いに行って、お会計は退院時に一緒に支払っていただきます
代わりにお金を預かって買いに行くということは基本的にCOVID-19患者さんには出来ません
部屋から出られないのと同じように、患者さんの私物も部屋から出すことを禁止されています
採血などをした時は1人が病室の前に待っていて、それを専用の袋に入れて搬送する
そういう対応をしています

部屋の掃除

病院は基本的にハウスキーパーさんが清掃を行ってくれますが、COVID-19の患者さんの病室には一切入りません
基本的に勤務の最後に看護師が清掃をしてゴミを回収します

急変したら

急変というのは、いきなり状態が変化することをいいます
例えば脈拍が1分間に80回あった人が10回までに低下したり、血圧(収縮期血圧)が100あった人が30まで低下する
意識がなくなるなど様々です

個室でなんで状態が変化したか分かるかというと、基本的にCOVID-19患者さんにはモニターを付けてもらっているからです
心電図モニター、酸素飽和度モニターといって、それをつけているとナースステーションにある機械にも波形や酸素の値がうつしだされるので、それを私たち看護師はチェックしています

急変したた多くの人を集めるというのが一般的ですが、COVID-19の患者さんにいたっては私たち医療従事者が感染しないように病室に5人までしか入れません
そして本来なら呼吸補助を専用の道具を使ってするのですが、胸骨圧迫のみの対応をするという決まりがあります

亡くなったとき

もしCOVID-19(新型コロナウイルス)が原因で亡くなった場合、死後の処置(エンゼルケア)も最小限です

ご家族は2名まで面会出来ますが、私たちと同じようにゴーグル、マスク、ガウン、手袋、帽子を着用していただきます
COVID-19の患者さんのご遺体は、直接葬儀場に搬送されます
都内では3箇所の葬儀場で火葬を執り行っています
火葬できる時間も限られているので、一度ご遺体を霊安室でお預かりすることもあります

本来だったら、私たち医療従事者はお焼香といって、病院で最期にお別れをすることができるのですが、それが出来ません

なぜか?

亡くなったあとにご遺体を『納体袋』と書かれた袋に入れます
本当は入れるなんて表現をしたくないけど、その袋に入っていただいたあとは誰にも会うことが出来ません
その納体袋を開けることも、棺を開けることも禁止されています
私はその納体袋にご遺体を入れるということもしています

終わりに

最近都内では安価でPCR検査を出来る場所が設けられました
そこには一時期行列が出来ていて、たまに陽性だった方から陽性だから入院させてと電話がきます
知られていないかもしれませんが、行政からの指示の検査場所ではないのでもう一度しかるべき機関で検査を受けてくださいとしか回答が出来ない状態です

医療現場は確かに逼迫しているし大変じゃないというのは嘘になると思います
1都3県がまた緊急事態宣言を発令されたら、私のシフトも変わる可能性が高いです
それは仮に休園や休校になった場合ママさんチームが休みになったり、いろんな可能性があるからです

逼迫はしているけど、私が働く病院は本当に受診や入院が必要な人は受け入れてます
そして私も病棟スタッフも元気に働いています
いくら逼迫しているとはい言っても、言葉遣いや人間関係までギスギスする必要なんてないと思います

2020年は看護師としてやったことないこと、本来なら倫理としてどうなんだろうということをしてきた1年でした
亡くなる人がいることに慣れないように、納体袋にご遺体を入れることにもいまだに慣れません
実は家でひっそり思い出して泣くこともあります

でも
私は現場では笑って働くって決めてます
環境や雰囲気をつくるのは、私が出来ることの一つだからです

 

元旦に初日の出を撮ろうと思って外に出たら綺麗なお月様が出ていました
私の2021年も看護師を続けられる1年でありますように
そう思いながら写真を撮りました

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