人生の最期に食べたいものを聞くのってなんでだろう?

『ねえ、もし明日亡くなるとしたら何が食べたい?』
こんな質問をされたりしたこと無いですか?

看護師になってからは質問する側になることが多かったんですが、そういえば何で食べ物を聞くんだろうって思ったんです

最期に観たい映画でも良いし、着たい洋服でも良いし、読みたい漫画でも良い

でも何故か最初に聞いたり聞かれるのって食べ物が多くないですか?

そうしたら患者さんと関わっていくうちに思ったことがあります
もしかしたら
ご飯やデザート
食べ物だったら一口だけでも食べられるかもしれない

食べるのが無理でも食べ物の匂いで少し気持ちが満たされるかもしれない

食べ物だったら
その匂い
口にいれたときの味覚
スプーンやお箸を持つ時の手の触覚
食べ物そのものを楽しむ視覚
噛んでる音

そういうものが自分にとっての大切な人や好きな人と食べた記憶を思い出せてくれるから食べ物なのかなって思います

そんな時患者さんたちが教えてくれるのはどこかで食べた高級料理というよりは
毎年お誕生日に家族でつくった沢山のコロッケとか
元旦に家族が集まって食べたお雑煮とか
初めて奥さんと2人でつくったピザとか
そういうのを教えてくださる方が多いです

最近私は看護師としてやってみたいなという分野ができました
緩和ケアという分野です

昔、患者さんや家族を毎日のように写真撮って
時には私たち医療従事者も写って
それをノートに貼って今日はこんなことがあったよって書いて
亡くなった後にそのノートを宝物にしてくれたご家族の方がいました
 
小児科の時も子どもたちの写真を撮ってアルバムをつくってました

そういうケアが、病院のシステムの変更で一部の人だけにやることは差別と禁止になり私はそこを退職しました

ご家族とは、患者さんが亡くなったあとに関わることは基本的にはないですが、緩和ケア専門だと49日のときにお手紙を送ったりとかそういうことができたりします

沢山の時間を過ごしてきたご家族が話せる場所があったら良いなと思います

いつかそんな場所に携われたらいいなと思っています


あなたが人生の最期に食べたい物はなんですか?

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