COVID-19(新型コロナウイルス)ワクチンについて

私が働く職場で(COVID-19新型コロナウイルスの患者さんを看護している看護師です)コロナのワクチンの勉強会があったのでまとめてみました
今回私が書くのはファイザー社の薬になります(働いている職場がファイザーを採用予定なので)

ここに出てくるちょっと聞き慣れない単語たち

mRNA(メッセンジャーアールエヌエー)→異なるタンパク質を生成するために使用する情報細胞を運ぶ設計図のようなもの

ACE2→アンデオテシン変換酵素2のこと。人間の細胞のウイルス受容体の1つ

プラセボ→プラシーボという言い方もする擬似薬のこと。例えば、睡眠剤だよと言ってラムネを渡した場合、ラムネがプラセボ

 
上の写真は、色が濃ければ濃いほど接種が進んでいる国
G7(フランス、アメリカ、ドイツ、イギリス、日本、イタリア、カナダの先進国)で接種をしていないのは日本のみ
 
 
 
 
mRNAワクチンは、不活化ワクチン、生ワクチンとは違う作用機序
 
私たち人間は、細胞から出ているACE2という受容体を持っている
スパイクタンパク質は、それにくっついて細胞の中に侵入しウイルスを増殖させる
増殖を繰り返し、次の細胞に感染していく
だったら→スパイクタンパク質を邪魔して抗体をつくってしまおう!!というのが今回のワクチン
 
脂の膜に包み込んで、注射をする
ウイルス自体ではないので、この注射をしたからといって感染することは一切無い←良く誤解されていることのひとつ
mRNAを使ってリボソームというタンパク質を製造する工場のような場所でスパイクタンパク質のみつくる
異物がやってきたぞと免疫細胞が食べにきて、それに反応して抗体がつくられる
そうすると、今度は本物のSARS-COV-2ウイルスが入ってきた時に、この間見たタンパクだ!となりそれに対する抗体がいち早くつくられる
それによって、感染を防ぐのがmRNA
接種によってウイルスに感染はしないし、mRNAが染色体にとりこまれるとかは全てデマ

今回のワクチン開発は、何かの試験をすっとばしたわけではない
本来10年の期間をかけて行うことが多いので勘違いされやすい
開発と認証のプロセスを同時並行で行なった

人間への試験の前に動物を使用
COVID-19ワクチンで使った動物は、ネズミ、サル、フェレット
生理学的、生物学的に人間と構造が似ているため
動物に効果があり、安全が確認できれば臨床試験(治験)を開始

第1相には、少人数の健康的なボランティアが参加(20人〜50人ほど)
ワクチンの安全性と免疫反応をみる他正しい容量を見極める

第2相は数百人が参加しワクチンの人間への有効性を調べる
全ての年齢層と性別の成人、可能であれば全人種、民俗の参加

第3相は、第2相と似ているが数千人のボランティアが参加
より大きな規模でワクチンの有効性を調べる
通常は各治験の間に安全性や有効性ワクチンの安定性などをデータ解析する時間が設けられ、次の段階にうつるかどうかが決定される
しかしパンデミックの深刻さを受けて、今回はいくつかの治験が重なったり合わせて行われたりした
それでも通常を同じチェックを受けている
各国はワクチン開発にとても熱心である、多額の資金が研究開発に使われた
多くの科学者が雇用され昼夜を問わず働き、ボランティアみ見つけるため職員も大勢雇用された
COVID-19は世界中に広がっていることからも、ボランティア探しは他の治験よりも集まりやすかった
十分なデータが集まると、認可申請のため各国の規制当局に提出される
それを科学と医療の専門家が査定し、ワクチンの有効性や安全性、安定性、品質などをチェック
製造や貯蔵の過程で、公衆衛生や安全基準が守られているかも確認する
イギリスでは、医薬品・医療製品規制庁と人用医薬品委員会、そして一般から選ばれた人も関わる
こうしたプロセスは全て治験が終了してからだが、COVID-19の場合イギリスの規制当局は治験中からデータを受け取っていた
これをローリングレビューという
使用許可が下りれば多くの国民がワクチンを接種できるが、当局はワクチンを受けた人の健康記録やデータを監視し続ける
他のワクチンや医薬品と同じ手続きをしている
ワクチンは配達される前に全て、純度や品質の検査を受けている

ファイザーは21日間あけて2回接種
モデルナ、アストラゼネカは28日間あけて2回接種

 
ファイザーなら
有効率は罹患しなかった割合
うって罹患した人は8人
疑似薬をうって罹患した人は162人という意味

 
ワクチン接種者のが発症率は低い


発症の定義
4日以上続く、発熱、咳嗽、悪寒、筋肉痛、味覚や嗅覚障害、下痢、嘔吐がありPCR検査で陽性と診断されたもの
ワクチンを接種してから、12日後くらいに効果が出現する
ワクチンの副反応
局所反応80〜89%
注射部位の痛みや腫れ、紅斑、ワクチン接種群と同じ側の腋窩リンパ節腫脹
全身反応55〜83%
発熱、疲労、頭痛など
ほとんどが接種から3日以内に発生し、1〜3日以内に改善
若年者の方が頻度が多く、症状が強く出る傾向
解熱剤で対症療法可能
ワクチン接種後のアナフィラキシーの報告について(CDCより)
ファイザー:20万人に1人
モデルナ:10万人に約1人
インフルエンザワクチンは100万人に1人
ペニシリン系抗菌薬は10万人に1人


接種できない人は
mRNAのアレルギーがある人(1回目の接種でアレルギー起こした人)
ポリエチレングリコールアレルギー(下剤のニフレック等)の人
ポリソルベート(食品添加物)にアレルギーがある人
タマゴアレルギーの人は接種可能
COVID-19に罹患した人も接種可能
接種を受けるには
同意が必要←強制ではない
費用は全額公費になる見込み
接種を受けた後の副反応に対して(どの程度かは不明)健康被害救済制度がある


ワクチンの接種順位
新型コロナウイルス感染症患者に直接医療を提供する施設の医療従事者←私みたいな人
高齢者及び基礎疾患を有する者
高齢者などが入所、居住する社会福祉施設などにおいて、利用者に直接接する職員
妊婦に対しては現在データがないため、現時点で上位ではない


このワクチンは感染予防目的になるのかは有効性を示す数字がない(期待できないともいえないみたいな説明でした)
発症予防のワクチン
ワクチンを接種したからといってマスクを外す生活には暫くならない
集団免疫を獲得しないとならない


効果の持続時間は?
接種開始されて日が浅く効果の明確な持続時間ははっきりしていない
治験時は2ヶ月間の観察期間を設けて有効性を確認している


妊婦は接種できるのか?
COVID-19ワクチンは、現時点で妊婦に対する安全性や特に中、長期的な副反応、胎児及び出生児への安全性は確立されていないと記載が先にあります
その中で日本では
妊娠希望の人は接種可能
生ワクチンではないので、長期の避妊は必要なし
授乳している人も可能
器官形成期(12週まで)は接種は避ける、パートナーの接種は考慮
母児管理の出来る産婦人科施設などで接種を受け、なるべく接種前と接種後にエコー検査などで胎児心拍などを確認する

まとめ

新型コロナウイルスのワクチンに関しては、まだ不明なことも沢山あります
そして、ここには私が習った事実のみを書きました
もしかしたら、読んでいる人の中にはファイザー?どうせ製薬会社が病院と癒着してるんでしょ?とか他にもいろんなことを思う方はいるかもしれません

私自身、こんなに認証のプロセスが早くて大丈夫なのかな?と思っていた1人です
最近SNSでワクチンを打つ?打たない?と見かけるようになりました
接種するもしないも個人の自由ですし、強制的に打つことなんて一切ありません
ただ
ワクチンに対しての知識を持って議論するのとしないのでは大分話が違うのでは無いかなと私自身は考えます
今回15歳以下の子どもはワクチン接種が出来ません
もしあなたに子どもがいたとして
もし子どもに何かを教える仕事をしているとして
私はこういう理由でワクチンを接種したよOr接種しないよ
と説明できることは大切なことだと思います

現場は相変わらず忙しないですが、私は元気に働いています
これを読んで少しでもワクチンの何故?が解消されたら嬉しいです

長い文章を読んでいただきありがとうございました

厚生労働省新型コロナワクチンについて

The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本産婦人科学会

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